こんにちは。ハルちゃんです。
今回は『居心地良く生きるために』と題して、色々な視点から人間社会で心理的安全を少しでも保ちながら生きていく上で何かしらヒントになることをお伝えしてみたいなと思います。テーマが広く深すぎて回数を別けないとまとまりがつかないので『1』とありますように今後シリーズで配信していきます(不定期にはなりますができる限り間隔広げずにやっていく予定です)。
本日は産業組織心理学のお話をしたいなと思います。「リーダーシップ」「フォロワーシップ」についてお伝えしてまいります。
現在、在宅勤務や自宅待機といった対応で通常とは働き方が変化している方も多いのではないでしょうか?本日の内容はこのような体制であっても、通常通りの働き方に復帰しても付いてまわるテーマであると思います。また、仕事に限らず家族や友人といったコミュニティにおいても大切な要素になります。
今回はリーダーシップについての簡単な説明とPM理論というものをご紹介します。そして、フォロワーシップにも触れてまいります。
リーダーシップって何?
リーダーシップ論については研究者によって様々な定義づけがありますが、タンネンバウムの定義がここではわかりやすいと思うので以下の通り抜粋します。
「ある状況の中で行使され、しかも、コミュニケーション過程を通して、特定目標の達成に向けられた対人間の影響である」
この先もこちらの認識でリーダーシップについて進めていきます。
ところで、リーダーシップは何も職場組織等における管理監督者又は経営トップ層に限った話ではなく、様々なケースでオフィシャルなリーダーに限らずその他のメンバーがリーダーシップを発揮する場合もあります。上記の定義の通り、正に目標達成に向けられた対人間の影響ですね。
マンションの理事会で例えるなら普段の理事会や草むしり等の活動で指揮を執るのは理事長でしょう。でも、ある日、万一マンション内でぼやが発生した場合には必ずしも中心になるのは理事長とは限らないでしょう。例えば理事会役員のメンバーに消防士OBの人がいたとしたらこのような時はその役員が通報から初期消火又は鎮火まで「め組の頭」さながらの見事なリーダーシップを発揮するでしょう(あくまで例です)。
PM理論について
リーダーシップには様々な理論が存在しますが今回は我が国日本の心理学者、三隅二不二(1924~2002)が提唱したPM理論をご紹介します。
Pとはperformanceを意味し、課題の遂行、生産性の向上に特化した機能になります。
一方、Mはmaintenanceを意味し、人間関係の調整や配慮、育成といったことに特化した機能となります。これらの要素の高低でリーダーのタイプは分類されます。
PM理論はこの機能の高低を4つのパターンに分けて展開されています。
・PM型➡PとMどちらの機能も高い。つまり、業務遂行を重視しながらもメンバーへ
の気配りもできるといったリーダーといえるでしょう。
・Pm型➡エムが小文字になっている通り、Pの機能は高いがMの機能は低い。業務遂行
を重視するのはPM型と同じですが、メンバーへの気配りには少し欠けるとこ
ろがあるといえるでしょう。
・pM型➡今度はピーが小文字になっています。Pの機能が低く、Mの機能が高い。業務
遂行への取組みは活発とはいえない一方、メンバーへの気配りといった人間
関係へのアプローチに長けているといえるでしょう。
・pm型➡PとMどちらの機能も低い。業務遂行にもメンバーへの気配りや人間関係への
アプローチにも積極性が欠けるリーダーといえるでしょう。
基本的にはPM型が最も優れているといえますが、Pm型とpM型の順位についてはその時その時の状況によってどちらが良い結果になるかは異なる場合があるといわれています。
リーダーのあるべき姿に思うこと
以上、リーダーシップについてお伝えしてみましたが、いかがでしょうか?
自身がPとMどちらの傾向が強いかを認識するだけでも色々と発見があるといえるのではないでしょうか。リーダー、特にフォーマルなリーダーは決済権や人事権といった力を持っています。その分部下よりも優位なポジションといえる一方、その責任の重さはかなりのものです。また、次回お伝えする逆パワーハラスメントといったケースも考えるとその組織やメンバー、プロジェクトによってPとMのバランスを調整できると良いといえるでしょう。とはいえ、一朝一夕には難しいですよね。
これもあくまで私の意見ですが、パーフェクトなリーダーや理想のリーダー像というのは結局その時の状況によって流動していくのではないかと思います。なので、完璧を目指す必要は無いと思うんです。ただ、常に向上心、誠意を持った行動をすること、場合によっては自身の弱点を素直に認めてメンバーを頼るといった行動を示し続けることは大切だと思います。そんなリーダーを目の当たりにしたら、ほとんどのメンバーは意欲を持ってついてくるのではないでしょうか(少なくとも私はついていきます)。もし、それでもリーダーに悪態をつくようなメンバーがいたとしたら、それはまた別の問題となるでしょう。
フォロワーシップとは何ぞや?
リーダーにつき従う人がフォロワーとなります。上記リーダーシップについての説明で主に「メンバー」「部下」といった表現をしていた人又は人達を指します。
フォロワーシップはこうしたメンバー、部下がリーダーに対してサポートするアプローチといえます。そうしたことから、フォロワーの存在は組織のパフォーマンスにおいて、重要なファクターになるといえるでしょう。
ロバート・ケリーはフォロワーシップの理論の中でフォロワーを「貢献力」と「批判力」の2軸に分け、そこから下記にように5つに分類しました。
1.模範型➡貢献力、批判力共に高い。積極的なアプローチで組織、リーダーをサポート
するタイプ。リーダーに間違い等あった場合にも進言することができる。
2.順応型➡貢献力は高いが批判力がいまひとつ。俗に言う「イエスマン」。
3.孤立型➡貢献力は低いが批判力が高い。
4.消極型➡貢献力、批判力共に低い。
5.実務型➡当たり障りのない程度の批判力、貢献力を行使するバランス型。あまり波風
の立たない仕事っぷりで自身の守備範囲とそうでない範囲との線引きを徹底
している場合などがあるタイプといえる。
ここまで見ると、1.模範型のタイプが最も理想的なフォロワーといえるのではないでしょうか。ただし、批判力が高い為、ややもすると「耳が痛い」と感じてしまう上司も中にはいるかもしれませんね。そうしたことも考えると、普段からリーダーフォロワー間の信頼関係は築いておく必要はありますね。
フォロワーのあるべき姿に思うこと
リーダーにせよ、フォロワーにせよ、
「論理的な思考と暖かいココロが必要」
だと私は思っています。
これをみんなができたら、世の中に数多く存在する「ハラスメント」案件は激減するのではないでしょうか。そしてこのシリーズのメインテーマの通り、「居心地良く生きる」ことに繋がっていくのではないかと思います。ひとつ例を挙げるなら、
指摘して然るべきことを(論理的に)言葉を選んで(暖かいココロで)正確に相手に伝える
これができるかどうかで組織の空気は変わっていくのではないでしょうか。
リーダー、フォロワーである以前に血の通った一人の人間であるということをお互いに認識することが大切だと思います。また、次回記事でも触れますが、フォロワーもリーダーになることがありますし、リーダーもフォロワーになる場合があります。そして、前述の通りリーダーには多くの責任があります。且つフォロワーと比較してより沢山のタスクを負っている場合が多いと考えられます。従って、間違いが起きることは当然あり得ます。そんな時にさも鬼の首を取ったように糾弾するか、はたまた上記にある模範型のフォロワーシップを駆使して全面的にサポートするか。どちらがWin-Winかは明らかですね。もし、それでもフォロワーに辛く当たるリーダーがいたとしたら、それはまた別の問題となるでしょう。
次回はパワーハラスメントと逆パワーハラスメントについてお伝えします。
今回はリーダーシップとフォロワーシップについてお伝えしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか。リーダーシップに関しては一般企業等では研修プログラムの中にテーマとしてあげられていることもあると思います。そうした意味でも身近に感じていただけた方もおられるのではないでしょうか。
次回は今回の続きとして、パワハラと逆パワハラについてお伝えしたいと思います。
フォロワーがいかに身を粉にして頑張ってもリーダーが成熟していなければ快適職場は成り立たないと言えるでしょう。また、その逆にリーダーがどんなに気配りしてもフォロワーの態度に問題があるといったケースも十分想定できます。
そんな職場環境ではパワハラや逆パワハラに問題が発展する可能性があります。
そんなパワハラ、逆パワハラについて熱く語っていこうかななんて考えています。
それでは!本日はこんなところで終わりです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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