居心地良く生きるために4 ~アサーションを活用しよう~

こんにちは。ハルちゃんです。今回シリーズ第4回目。
現在、政府の緊急事態宣言により自宅待機や在宅勤務といった対応をしている方が多数おられると思います。また、直近では緊急事態宣言の延長も発表され、当面の自粛が求められています。とはいえ、いずれこの新型ウイルス問題が一段落終えたら通常の出勤体制復帰に向かう企業も多いことでしょう。
率直に言うと、職場の人間関係で辛い思いをしている方の中にはこの在宅勤務の方が向いていると考えている方もおられるのではないかと思います。実際にテレワークの生産性等は世間で認識されており、今回の新型ウイルス問題は日本人の働き方にも大きな方向性を示すインパクトとなりました。
しかし、一方で「これまでの体質から脱せない」といった変化に対する抵抗等の理由により元の勤務体系に戻ってしまう職場も多いと思います。また、そもそも在宅勤務とかできる職業でない方も大勢おられますし、いくら在宅勤務といえど何かしら(zoomやSkype等)の形で人と接する機会は避けられません。
このように、当然のことではありますが殆どの場合において人間社会で生きていく上ではコミュニケーションが必要です。本日はそんなコミュニケーションの方法にフォーカスしていこうかな、なんて思っております。そのひとつが、アサーションです。

アサーションってなぁ~んだ♪

皆さんの中には相手に伝えたいことを伝えられないまま済ませて日々を過ごしておられる方はおられるでしょうか。また、相手から不愉快な発言、心外な発言をされて何も言い返さないまま済ませてしまっているという方はおられるでしょうか。
社会で多くの人達と接するにあたって、波風が立たずに済み、自身だけが我慢すれば全てが円満に済まされるという背景もあり、上記の様な対応を選択する方もおられるのではないでしょうか。しかし、こうした対応をすることでストレスが一切溜まらないのであればともかく、一般的にはストレスとして蓄積していき悪い影響を及ぼしかねません。これでは人と関わるのがイヤになりますよね。アサーションはそんな問題を解決するひとつの方法として有効です。
アサーションは対人関係における自己主張の技術であり、相手の立場や事情を尊重しつつ、自身の意見や要望等を提示することがその主眼となります。
アサーションでは自身の負の感情も含めて自己主張をできることが大切になります。喜ばしいことや相手の意見に賛同するといったプラスの意思表示に限らず、不快に感じたことや反対意見においても同様に主張します。但し、ここではただただ自身の思ったことをそのまま言葉を選ばずに発するのではなく、「社会的に容認できる」形に変換したうえで提示することが必要になります。また、その際には伝える相手についてきちんと尊重したうえで且つその時の状況に気を配り正しい表現で伝えることが重要です。
ビジネスシーン等では説得、交渉においても有効なスキルとなります。

自身のアプローチパターンを知る

さて、アサーションについての概要を簡単に説明してまいりましたがいかがでしょうか。「自分はできている」と感じた方、そうでない方色々おられると思いますが、ここでアプローチのパターンを3つ程提示いたします。この3つを見比べて自身がどの傾向が強いのか、そしてアサーションに基づく『アサーティブ』な自己主張ができているのかどうかを感じていただくのも良いと思います。

受身的行動

受身といっても柔道の受身ではありません。
これは、相手に対して意見したいことや不満があってもそれを言えずに我慢してしまうタイプの方が当てはまります。ハラスメントの被害者等に多くみられる傾向といえるでしょう。

攻撃的行動

受身的行動とは対照的に、自身の言いたいことを言いたいままに発するタイプになります。文字通り攻撃的に強引に自身の意見を押し通すこのようなアプローチは、ハラスメントを行使する人に多くみられる傾向といえるでしょう。

主張的行動

これがまさにアサーティブな行動です。相手の立場や事情を尊重しつつ、自身の意見や要望等を発言できます。また、自身も相手もダメージを負わないようなアプローチをするので物事が上手く運びやすいといわれています。

いかがでしょうか。3つ目の主張的な行動が取れていればそのスキルにより磨きをかけるのも一考。1,2つ目の傾向が強い方はアサーティブな行動ができるように取り組むことでこれまでとは違った人間関係のあり方が築けるかもしれませんね!

アサーションの基本

では、どうすればアサーティブなアプローチが取れるようになるのか?という話になりますが、トレーニングすることで身につけることは可能です。いわゆる『アサーショントレーニング』になります。
アサーティブなアプローチ自体は上記の通りで理屈では難しいスキルではないと思います。ところが、人間の性格や習慣はそうそう変えられるものではありませんね。だから最初は意識して取組む必要があります。今回の記事ではアサーショントレーニングについての詳細には触れませんが、アサーションのスキルを簡単に紹介してまいります。
*細かくみていくとその内容は多岐にわたるので今回は特に大切だと考えられるものをピックアップいたしました。

アサーティブなアプローチを実行する前に

仮に、相手に何か「言いたいこと」があるとしましょう。受身的な人であればそのまま我慢するでしょうし、攻撃的な人であればすぐさま相手に怒涛のごとく主張を浴びせるでしょう。
ここではまず、今相手に伝えたいことはお互いにとってwin-winになり得る案件なのかどうかを考察してみます。例えば、自分だけが非常に気になっているが、その場にいる自分以外の全員が「取るに足らない」と認識しており、且つ言わないことにより自身が大きなダメージを負うわけではない、といった場合等は言うべきことであるかどうか熟考が必要といえるでしょう。
では、やはり言うべきだと判断した場合、間髪入れずに相手に言うのかどうかということになります。またまた例を挙げると「この局面で言おうものなら相手は確実に怒り出すだろうな」又は「今の自分は相当感情が高ぶっているから喧嘩腰なアプローチになりそうだな」と判断するのであれば、一度状況を冷静に整理した上で『言い時』を考える必要があるでしょう。

アプローチ実行の際に

いざ、相手に発言するという際に注意しておくのは、その内容が正しく正確に伝わるよう具体的な表現をすることです。さらに、『負の表現』を用いないよう配慮が必要です。『負の表現』と『プラスの表現』とでは受け取る相手が感じる印象に大きな差がつきます。また、「私は~と思う」等「私」を主語にすることもポイントです。これは『私メッセージ』といわれ、『プラスの表現』として伝わりやすいといえます。対して、「あなたは~だ」「あなたが~」といったように「あなた」が主語となる『あなたメッセージ』は『負の表現』として受け取られる可能性がある批判的なアプローチといえます。

その他

ノンバーバルコミュニケーションも大切な要素となります。ノンバーバルコミュニケーションとは言語以外の表現によるコミュニケーションになります。表情や声の大きさ、相手との物理的距離といったシチュエーションでも相手の感じる印象は異なってきます。「険悪な形相」で「大声」で言われたらそれこそ『負の表現』になるといえるでしょう。
また、相手の発言に対しても耳を傾ける姿勢が必要とされます。

コミュニケーション あれこれ

ここまでアサーションについてお伝えしてきましたが、ここからはアサーションも含めたコミュニケーション全体について私の意見を綴っていきたいなと思います。

刺激だらけの人間社会で生き延びる

私達の多くは物心つく前からコミュニケーションを重ねて生きています。それは家族や周囲の人間に限らず、テレビやラジオといったメディアからの情報もひとつのコミュニケーションといえるのではないでしょうか。そして、コミュニケーションは一種の刺激と捉えることもできます。
そう考えると、私達は生まれた瞬間から常に何らかの刺激を享受しながら生き続けているといえるでしょう。
上記で「アサーション」をお伝えしましたが、残念ながら人類全員がアサーティブな表現ができるわけではありません。また、話が少し脱線してしまいますがテレビ番組等のメディアによる暴力的な表現が小さな子どもに与える影響は問題視されて久しいですね。心理学には『モデリング』という概念があり、ここでいうならば、暴力的な表現を見て真似したり同様の行動をするようになることが該当します。そして、そのような行動が習慣化していくと上記の『攻撃的行動』をとる大人に成長しかねません。逆に、「人と全く闘わないことを美徳とする」アプローチの影響を強く受けた子どもは『受身的行動』に徹する被害者になりかねません。当然、それを見た子どもが全員そうなるわけではありませんし、良いことと悪いことを分別する、学ぶ為には良い見本だけでなく悪い見本も必要といえるでしょう。大切なのは正しい善悪の判断ができることであると思います。ここで申し上げた例は両極端ではありましたが、世の中そう単純でもないのが実情ですね。「暴力的な表現は社会的に容認できるものではありません」し、一方で「残念ながら人間社会で生きていれば何かしらの事情により闘わざるを得ない状況に出くわすこともある」のが現実です。だからこそ、暴力とは全く異なったアサーティブな表現による「正しい闘い」が必要といえるでしょう。

『荒療治』は必要か!?

世の中には困ったことにアサーティブな表現が通用しない人々が多数おられるのも事実であると私は考えます。もちろん、アサーティブな表現をする側の成熟度も十分影響しますが、それを差っ引いてもなかなか理想と現実の乖離は否めません。また、悪い人では無いのですが「何度言っても約束を守らない」「何度注意しても言葉遣いが直らない」等、例を挙げたら枚挙に暇がない程、世間には困った人達がおられるのではないでしょうか。根気強くアサーティブにこれまで向き合ってきたが、あまりにも改善が見られないという場合、見出しには『荒療治』と記しましたが、ある程度「演出として力強く言う」等のアプローチは必要かどうかという疑問に辿り着きます。
そこで、最初の方でお伝えした通り「社会的に容認できる」表現の範疇であればある程度力強いアプローチも有効ではないかと考えます。
そしてこれは完全に私見ですが、「アサーションに、上手にガツン!と言うスキル」も必要といえるでしょう。とはいっても、相手もいることなのでこれはこれで両刃の剣になるリスクを秘めているので注意が必要ですね。相手と相応の信頼関係を築いておかないと思わぬ結果になりかねません。なかなか悩ましいものです💦

まとめ

今回はアサーションについてと、コミュニケーションについての意見をお伝えしてまいりました。アサーションは人間関係においてとても有効なスキルであるということを感じていただけたでしょうか。
ところで、これは私の体験談になるのですが、以前職場でとある案件についてメンバーから
「みんな言ってますよ」
と言われたことがあります。そこで私は
「みんなというのはこの職場○○人全員がそう言っているということですか?」
と質問しました。
相手は「そうではない」と答えました。私は
「ではみんなというのは何人中何人を指していますか?」
と質問しました。結局相手は質問に答えられないままその話は終了してしまいました。

どうでしょう?「みんな~」というフレーズは使いたくなる気持ちはわかりますし、世間話といった雑談であればそこまで問題にならないでしょう。しかし、ビジネスの現場において正しい事実を伝えるという意味では適切とはいえません。さらに喧嘩腰といわんばかりの雰囲気で言われた私自身はその方からアサーティブな姿勢が感じられませんでした。上記の通り、アサーティブな表現には相手を尊重する姿勢に加え、具体的な事実を伝えることも求められます。せめて、「数名の方から聞いている」くらいは言えてほしいと思いました。残念なものです。

今回は以上になります。
緊急事態宣言の延長に伴い、まだまだ自粛モードが続くことになりますが、何とかのり切って元の生活に戻りたいものですね。
5月に入ったとたん、さらに気温が上がり、バルや居酒屋が恋しくなってきました😅
とはいえ、命にはかえられませんからね。今は我慢してウイルスが収束したらその分遊びたいと思います。
それでは!今回もお付き合いいただきありがとうございました!

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