古典に学ぶ生きやすさ4 ~割り切りも必要~

身近な古典
Green Planetさん による 写真ACからの写真

こんにちは。ハルちゃんです。
お正月ムードも落ち着いて今週初めから仕事が始まった方も多いのではないでしょうか。とはいえ、先日出ました緊急事態宣言を受けて在宅勤務等の対応の方もいらっしゃるかと思います。
飲食店の規制もまた厳しくなっていますね。私は昨年末から週末のカフェ通いを再開していましたが、本日1/9現在より自粛することにしました。
実は私、1月末に布〇寅泰さんのコンサートを観に行く予定があったのですが、こちらは無観客liveに変更となったようです(´;ω;`)本当なら会場で楽しみたかったところではありましたが、この如何ともしがたい状況下においては運営者様の判断は正しかったと思っています。

さて、本日のテーマは久々の古典シリーズになります。
前々回の論理療法の他、これまで人間関係で起きる様々ないざこざ、トラブルに焦点をあてた内容をお伝えしてまいりました。今回はそんな人間関係において、悪いストロークを向けてくる人間、話の通じない相手との折衝について、中国古典からその向き合い方を考えていきたいと思います♪

知者は人を失わず、亦言を失わず。(衛霊公第十五から)

まずは中国の思想家、孔子の論語からの引用をご紹介します。
この件(くだり)は、自身と話が通ずる人、同じ考え思想を持つ人と心を開いて対話しないとその人との信頼、縁といったものを失ってしまう。一方、そうでない人、つまり話が通じない人とはまともな会話を慎む必要がある、という主旨のことを提示しています。

これを現代の人間関係に当てはめて考えてみましょう。自身を慕って同じ志のもとに協力してくれる人とはとことん話をした方が良いですし、逆に害悪しかもたらさない人との余計な問答は自身にとってマイナスの結果にしかならないからやめた方が良いと解釈できそうですね。

著書「たくましい人 弱い人との違いは何か」
加藤 諦三 著
(株)PHP研究所
では人間関係において嫌がらせ等の悪いストロークを行使してくる人を『ずるい人』あるいは『質の悪い人』と表現しています(著書「たくましい人」のレビュー記事のリンクを最後のおまけのところに貼っておきます。ご興味ありましたら是非ご覧ください✨)。
カウンセラーとしてこうした発言はいささかハードかもしれませんが、あえていいますと、このような質の悪い人、人達というのは組織で生きている限り無限に現れますし、迎えうつ側は少なからずダメージを受けるものだと思います。従いまして、このような人達との折衝は必要最低限にしておくに越したことはありませんね。
とはいえ、人はマイナスの刺激により強く反応する傾向があるのではないでしょうか。悪いストロークへの対応に注力するあまり、良い人との関係にまで悪い影響を及ぼすようでは人間関係はさらに悪循環になりかねません。それではあまりにもったいない限りですね。上記引用はこうしたことにならないよう私達にアドバイスしているようにも感じられます。

そして本日はもうひとつ、ご紹介します。

智を以て愚に説けば必ず聴かれず

こちらの件(くだり)は中国の思想家、韓非の著書「韓非子」からの引用になります。
ご存知の方も多いかもしれませんね。
やんわり説明しますと、賢明な人が間違った人に正しいことを説明しても聞き入れられることは無い、つまり賢明でない人には正論が通用しないということをいっています。

悪いストロークを向け、誤った悪い主張を浴びせてくる質の悪い人達にいくら正当性を説明したところで意味をなさないということになりますね。説明する労力だけが削がれて正しい側は無駄に消耗してしまいます。上記の様なシチュエーションはコミュニティに属している限り、無限に出てきそうですが、こんな時は韓非子のこの言葉を思い出すと良いかもしれませんね!

今回は以上2つのご紹介となります。私自身、とても共感できる言葉だと思っています。ストレートに的を射ていて、人間関係の様々な局面である種の❝割り切り❞ができると思います。

ここで以下にひとつ事例を挙げます。カウンセラーが提示する事例としてはやや荒っぽいかもしれませんが、本日のテーマはいかに質の悪い人とのやり取りを❝大人としての対応❞として❝割り切って❞こなしていくか、ということと、信頼関係を築くべき良き仲間の大切さを強調する目的で以下のような内容となっております。
登場人物Fさんが上記の引用2点を実践して困難を乗り越えた事例になります。

事例  Fさん 苦悩からの脱却

注)事例はフィクションです。
登場人物
Fさん:とある職場のリーダー(30代)
Gさん:Fさんの職場のメンバー(50代)
Hさん:Fさんの職場のメンバー(Fさんと同年代)

Fさんは10名弱のメンバーを束ねる中堅サラリーマン。メンバーの年代は20代の若者から年長者まで多様な職場で日頃からその人間関係に苦慮していました。とりわけある年長者、Gさんからは事ある毎に文句、難癖、また昨今話題のマウンティングといった嫌がらせを受けていました。しかもこのGさん、その考え方は論理的とは到底言えず、その時の気分や感情でまくし立てることが茶飯事でした。Fさんは事前準備に情報収集その他諸々のコンセンサスも万全な状態で基本的には概ね正しい仕事をしていました。とはいえそんなFさんでも少しの手違いや抜け漏れはあります。そんな時はGさんはここぞとばかりにFさんを痛烈に糾弾します。Fさんも負けるわけにもいかず、Gさんが間違った主張や難癖を浴びせてきた際にはその都度戦って(論戦)いましたが最近ではそんな気力も無くなってきました。結局言い争ったところで何か良い方向に向かうわけでは無く、ただFさん自身が消耗するだけだったのです。
そんなことが数年続き、Fさんはついに3ヶ月程前から胃腸に異変をきたすようになっていました。
やがて、Fさんの仕事ぶりはGさんの顔色を伺うことを前提として進められるようになっていきました。Fさん自身そのことに気付いていながらもGさんからの文句を恐れて自身の思うように業務を進められなかったのです。そんな時、かねてからFさんに協力的だったメンバーHさんが気遣って声をかけてきました。Fさんは思い切ってGさんとのこれまでのやり取りと現在の自身の状況を話してみました。実はHさんはFさんがGさんに文句や難癖を言われていたことを陰ながら知っていたようでした。そしてHさんは「自分も協力するのでFさんはもっと思い通りに仕事をした方が良い」と言ってくれました。さらに、GさんとFさんとの折衝もHさんにある程度フォローしてもらえるようになりました。
おかげでその後のFさんは伸び伸びと仕事を進められるようになり、さらにはGさんからは何か言われても必要最低限の対応で済ませることを徹底しました。結局Fさんがいくら正しいことを言ってもGさんには意味をなさず、時間と体力の消耗になると判断したのです。逆に自身をサポートしてくれているHさんとは折々でコミュニケーションを取ることでより深い信頼関係を築いていくことにしたのです。

こうしてFさんはGさんとの関わりを割り切ることと、Hさんとの信頼関係によって苦難を乗り越えることができたようです。
ちょっと情けない弱弱っちいリーダーだな、と思った方もおられるかもしれませんが、人間皆そうそう強くありません。特に、本事例のように逆パワハラに遭っているような人は上位職と自身の部下との板挟みの状態で極めてデリケートな立場であることも少なくありません。そんな立場で日々メンバーへの指揮を執りながら業務に打ち込むリーダーをただ単に弱いと決めつけるわけにはいかないと思うのです。逆に、この事例で登場したGさんみたいな人が強いとは私自身は考えていません。このような人が前述の著書「たくましい人」の中で挙げているような質の悪い人だと思うからです。
賛否はあるかもしれませんがこのような質の悪い人と関わっている時間と体力、質の悪い人のことで苦悩している時間と体力は大変残念な消耗だと思います。であれば、そこは自身を心からサポートしてくれる人との関係づくり等プラスの方向にそのチカラを注いだ方が良いでしょう。だからこそ❝割り切り❞が必要なことは時にはあると思うのです。

おまけ

今回は以上になります。なかなかパンチのきいた内容になってしまいましたね💦しかし、折々で繰り返しお伝えしていますが昨今のコミュニティでは多様な人が存在します。そんな中で悪いストロークを向けてくる人というのは避けて通れないのが現状ではないでしょうか。そうした人達と渡り合うには残念ながら❝きれいごと❞では限界があるのもまた歴然たる事実です。なので、こうした世の中で少しでも楽になれるような取り組みとして上記のような事例を挙げさせていただきました。
また、今回随所で参考とさせていただきました。著書「たくましい人」について、過去にレビュー記事を書いていますのでそのリンクを以下に貼っておきますね♪
本のレビュー『たくましい人①』
本のレビュー『たくましい人②』
本のレビュー『たくましい人③』
本のレビュー『たくましい人④』


いやはや、それにしてもここ数日の新型コロナウイルス感染者数が半端ないですね。よもや都内で2000人超えは想像していなかっただけにショックでした。
いずれにせよ、感染対策と睡眠等規則正しい生活で身体を弱らせないように努めることが依然大切ですね!

それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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