古典に学ぶ生きやすさ9 ~中庸という考え方~

身近な古典
GTR719 さんによる写真ACからの写真

こんにちは。ハルちゃんです。
8月に入りましたね。
結構な暑さが続きますが、皆様健やかにお過ごしでしょうか。7月末には北海道で38度というとてつもない気温に到達しており、猛暑による熱中症には今一度注意をしたいものです。
私は夏場にランニングに出るのは早朝4時と決めています。この時間帯はややひんやりしており(あくまで私の感覚ですが)、走るのにはちょうど良い気温で快適です。昼間に走ろうものならそうはまいりませんね💦
余談ですが、8月は私人間ドックが控えております。適度な運動とバランスの良い食生活で良好な結果を出したいと思う今日この頃です。

さて、本日のテーマは『中庸』になります。
中庸の概念はご存知の方も多いかと思います。このサイトでも過去に中庸にまつわる名言をご紹介したりしていますので、今回はその振り返りを兼ねつつ私の体験談なんかも交えて中庸の考え方をお伝えしていきたいと思います。

注)本記事での内容はあくまでハルちゃんの個人的主観に基づく考察となりますので予めお含みおき下さい。

中庸とは何ぞや?

以前、栃木県足利市の旅レポを投稿した際に『宥座の器』の解説で中庸についてチョロっと触れました。
簡単にいえば、物事を極端に捉えることのリスクを説き、バランスを考えてことに臨む必要性をいっています。旅レポ投稿の中では「適正量」という表現をしました。つまりは何事も行き過ぎずに程々のところでアクセルとブレーキをコントロールすることが大切ですね。
中国古典ではこの『中庸』にまつわる様々な名言があります。
現代の日常シーンにも通ずるものも多々あると思いますので、みていきましょう♪

欹器は満つるを以て覆る  (菜根譚 前集64項より)

まずは中国明代の古典『菜根譚』からの言葉。これ、まさに宥座の器のことをいっている件(くだり)なのです。宥座の器の解説と重複しますが、中の水が空の時は欹器(←宥座の器)は傾いています。水を半分程注ぐと見事真っ直ぐになります。ところが、その後も水を注ぎ続け、やがて満タンになると欹器はひっくり返ってしまいます。
荀子の『宥座篇』には孔子が弟子に実際に欹器に水を注がせ、その顛末を見て嘆く、という主旨の話が登場します。
つまり、この件(くだり)は

絶頂期

だったり

順風満帆

の局面における警告を示しているといえるでしょう。
順調すぎる状況の裏にはリバウンドの危険性も秘めている。
だから、有頂天にならず、謙虚な姿勢で事に臨むことが大切だといえるのではないでしょうか。

いやはや、私自身も気を付けたいものです。

花は半開を看、酒は微酔に飲む (菜根譚 後集122項より)

《ぴぴふぉと さんによる写真ACからの写真》

花を観るなら5分咲き程度、お酒を飲むならほろ酔いくらいがちょうど良い、ということをいっています。これも度を過ぎるとよろしくないと、物事の適正量について言及している件(くだり)といえるでしょう。お酒も適量であれば食事、はたまた人生に彩りを与える有効なエッセンスといえるでしょう。しかし、泥酔するくらい飲んでしまえばそれはたちまち害悪となり、他者に多大な迷惑を掛けかねない場合もあります。当然自身の身体にも負荷がかかります。
なので、ここでは花とお酒で例えていますが、適正量を意識することは非常に大切だと思います。

ハルちゃん体験談

ちょっとハナシが逸れますが、今この記事を書いているのが2021.8.7(土)。前日が仕事納めで、夏休み初日となります。長期休暇ってすごいワクワクするんですが、終わってしまうと非常にむなしい気分になります😢
。。。で、これはずーっと前から思っているのですが、

❝こういう長期休みって始まる直前が一番気分が高揚しているな❞

っていつも思うのです。
勿論、休み中は楽しく過ごしていますし、こんなコロナ禍でなければ旅行を楽しんだりととても充実した時間を過ごせます。しかし、来たるべき仕事始めが日に日に迫っているのも現実です。休み最後の日の夕方なんかは憂鬱になる方もおられるのではないでしょうか。
そういうこともあり、休みに入る数日前から

❝休みに入ったら○○やろう ○○に行こう!❞

と思いを膨らませている時が実は最も楽しかったりするのではないでしょうか。

学校でも卒業や就職といった目標に向かって学業等の活動に励むわけですが、実は目標を達成した時というより、その活動の中で味わう青春が最も楽しい思い出になるのではないかと思うのです。
少なくとも私はそう思います。
この 「花は半開を~」の件(くだり)を書いていてふとそんなことを思い出してみました( ̄▽ ̄)

多く蔵する者は厚く亡う (菜根譚 後集52項より)

《ノネ さんによるイラストACからのイラスト》

これは前回記事でもご紹介しました『菜根譚』に出てくる言葉となります。
既に記事としてご紹介していますので、説明はザックリでいきますが、要は

❝沢山の物事を抱え込んだり持っていたりするのは多大なエネルギーを要する(失うものも大きい)❞

ということをいっています。
*詳しい解説は前回記事に書いていますのでよろしかったらご覧下さい。
古典に学ぶ生きやすさ8 ~身軽になって楽になろう♪~

これも中庸の考え方として有名な件(くだり)となります。

足るを知る者は富む (老子より)

《涼風 さんによる写真ACからの写真》

中国の思想家である老子の名言からの引用です。
こちらも以前の記事でご紹介しました。

❝今現在持てる資源環境からいただけるもので十分満足できる❞

といった主旨の意味を持ちます。
*こちらも詳しい解説は過去の記事にまとめていますのでよろしかったらご覧下さい。
古典に学ぶ生きやすさ1 ~無くなるとわかる感謝の気持ち~

人間の欲というものはある意味キリがないという側面を持ちます。食事でもお酒でも、住居や車でも一度相応のクオリティのものを享受してしまうとその下のレベルに落とすのは結構心理的に負担になることもあるのではないでしょうか。さらに、現状でのクオリティに飽き足らず、さらに上のレベルを欲してしまうこともあると思うのです。
この言葉はそんな人間の欲に警鐘を鳴らしていると捉えることができます。
今、享受できているクオリティがその内享受できなくなることを想像すれば、自ずとそのことに対する感謝の気持ちも生まれるものです。

私個人の感覚としては、適正量というより、さらにひとつ上の領域で物事の享受について説いている件(くだり)であると感じています。

ハルちゃん体験談その2

またまた余談ではありますが、私基本お酒はビール党です。でも、時々料理や気分によってワインやハイボールを飲んだりします。ワインはビギナーの頃は500円くらいの価格帯を購入していました。それがやがて800~1,000円台のものを飲むようになりました。そして、ある日(遡ること10年くらい前かな)5,000円くらいのワインを思い切って買って飲んでみたのですが、私のレベルではその味わいがよくわからなかったのを覚えています。
結果、今でもワインは 800~1,000円台のもので十分満足できています。というか、この価格帯が最もリーズナブル且つ十分美味しいものがあると思っています。ただ、年末とか特別な時には1,300~1,600円台のものを購入して飲んでいますね。
ちなみに、とある銘柄で3,600円くらいのワインがあるのですが、それはとても美味しくいただきました。でも、現在その銘柄を買うことはあえてしていませんね。
基本 800~1,000円台、節目に1,300~1,600円台。これで十分だと思っています。
あくまで、私にとってはですが。
正に、足るを知る、ですね笑

孫子の兵法からの考察

《リズム727 さんによる写真ACからの写真》

さて、ここでは中国春秋時代に活躍した孫武による兵法書『孫子』のなかに登場する、とある件(くだり)を通して中庸を考えてまいります。
ここでご紹介する内容も以前、記事にあげていますのでここでの解説は簡単にまとめさせていただきます。

将に五危あり。必死は殺す可く、必生は虜とす可く、ふん速は侮る可く、廉潔は辱む可く、愛民は煩わす可し。 (孫子 九変篇より)

組織のリーダーが注意すべきポイントを5つ程いっています。

①必死→死ぬ気でやる気構えで物事に臨むような状態をイメージいただけると良いかと思います。要は、頑張り屋さんといったところでしょうか。

②必生→何が何でも生き延びる姿勢、態度になります。ビジネスでいうなれば❝何が何でも納期を守る❞❝どんな手を使ってでもライバルに勝つ❞みたいな気構えになります。

③ふん速→いつもフォロワーに対して激を飛ばす、血気盛んなリーダー像がわかりやすいイメージでしょう。

④廉潔→真面目過ぎる。

⑤愛民→部下に対して愛情深い、気を遣いすぎる。

*こちらも詳しい解説は過去の記事にまとめていますのでよろしかったらご覧下さい。
中国古典にみる心理学の考察2 ~逆リフレーミングで孫子の兵法をプチ実践♪~

いかがでしょう。上記5つはリーダーとして(人としても)必要な要素でもある一方、度が過ぎるとマイナスに働くことがあるので孫子では警鐘を鳴らしていると捉えることができるでしょう。
過去の記事では『逆リフレーミング』という表現を用いて、それぞれの度を超えた状態のデメリットを解説しました。
とはいえ、これらの要素が全く無いのではよろしくありません。
やはり、

❝適正量❞

は必要です。
こうしたことから、この「 将に五危あり~」の件(くだり)からも中庸の考え方が垣間見えると捉えることができるのではないでしょうか。

おまけ

《チョコラテ さんによる写真ACからの写真》

本日は以上になります。
私は週末から夏休みに入りました。
そして、今年の夏休みはホントは北陸を旅する予定でした。金沢で茶屋街や市場、割烹で美味しいものをいただき、福井県の永平寺や越前漁港を訪れ、最後は新潟の弥彦神社を観てくる予定でした。
しかし、新型コロナの状況が依然おさまらない上に、拡大を続けていることもあり、7月末に予約していた宿を全てキャンセルしました(´Д⊂グスン
従いまして、今年の夏休みも去年同様、自宅でまったり過ごしています。最近、近所に某大手カフェがオープンしたのでそこに行くくらいはいいかな、と思っていますが台風が去るまではそれもおあずけ。。。(´;ω;`)
先程ワインの話をしておきながらなんですが、どうせ自宅で過ごすなら普段よりもちょっとお高いビールでも買って飲んでみたいと企んでおります🍺幸い、近所のスーパーにクラフトビールの銘柄が色々あるので、旅したキブンでご当地ビールを堪能したいと思います♪

それでは、今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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