本のレビュー『たくましい人』④

本のレビュー
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こんにちは。ハルちゃんです。
本のレビューPart4になります。
著書は

『たくましい人 弱い人との違いは何か』
加藤 諦三 著
(株)PHP研究所

です。『たくましい人』のレビューは今回が完結編となります。
なので、今回は締めくくりにふさわしいテーマで進めていきたいと思います!
主にライフキャリアに通ずる内容でお伝えしてまいります。

過去の体験によって身に付いたパーソナリティ

よく、「過去のことは忘れて今を大切にしなさい」「過去のことは水に流しなさい」といったフレーズをききます。しかし、私個人として考えるのは何らかの悩みを持つ人、悩み続けている人は少なからず「過去」にその原点があったりするものではないでしょうか。そして、その原点が強大であればあるほどその過去を無視して現在や未来を生きるというのは相当難しいのではないでしょうか。だからといって、その過去をいつまでも引きずっているわけにもいきません。今一度その過去をきちんと整理、理解し、自身にとって必要な選択をして、新たな決意を持った上で「今を」「将来を」生きていくことが重要なのではないかと思うのです。以下に引用する内容はそんな「過去」に強大な原点を持ち、それが現在も自身の壁となって人生で様々な問題となっているような方には何かヒントとなる要素があるかもしれませんね。

うつ病的傾向の強い人は、自己蔑視する、 (中略) 何の根拠もなく自分はダメだと思う。 (中略) 負けていないのに自分を負け犬だと思う。それは小さい頃から従順を強いられて生きてきたからである。」(289頁より抜粋)

なかなか強烈ですね。著書の中では取り分け親子関係について書かれていましたが、上記の様な環境は親子以外にも学校の教員だったり、はたまた別な大人だったりするかもしれません。いずれにしても、あらゆる面で力が及ばない小さな子どもがそんな境遇を生きてきたならば、それに応じたパーソナリティが形成されて然るべきでしょう。
これもまた私個人の意見になりますが、日本の教育文化という視点でみると、上記の様な環境というのはそう珍しくもないと思います。もちろん、躾は大切ですし、躾が無いとその子どもはモラルに欠けた大人になりかねません。しかし、躾を通り越した逸脱した対応は適切とはいえないでしょう。過度なおさえつけは子どもの成長、ライフキャリアに影響を及ぼすといわざるを得ません。
もし、上記の引用に該当するのでは?と思った方は、今一度その過去を整理、清算することを検討しても良いかもしれませんね。

少し話が逸れますが以前、何かの記事で日本の小学生が教室等の掃除をすることについて書かれているのを見たことがあります。なんでも、欧米等では無いようですね。また、グローバルな視点では学校において子どもに掃除をさせることについては賛否があるようです。
私は小学生時代は掃除を何の抵抗も無く当たり前に行っていたので深く考えたことはありませんでしたが、改めて見ると、こんな小さなところにも主従関係の要素が見え隠れしているんだな、と感じました。
もちろん、学校の掃除に関しては良い要素はありますし、私自身が掃除に関して意見を言うつもりは一切ありませんが、今回の❝従順❞というキーワードで進めていたら何となく思い出してしまいました😅

ライフキャリア格差を考える

現在、格差社会といわれて久しいですが、世間でいわれるのはいわゆる❝収入❞に特化したものが多いように感じます。ここで取り上げたいのはさらに大きくそのスケールを広げた概念で考えていきたいと思います。それは人生の格差、すなわちライフキャリア格差ともいえるべきものです。ここで申し上げますライフキャリア格差とういうものは
❝生き方❞

❝境遇❞
といったトータルで捉えるもので、人生に大きな影響を与えるものであると考えています。下記に紹介します引用は正にそんな側面を捉えているのではないかと思うのです。

自信のないあなたは、大阪に行くのに東京から歩き出した。今まだ横浜である。しかしある人は大阪に行くのに静岡から歩き出しているし、また別の人は名古屋から歩き出している。
さらにはもともと大阪で生まれている人もいる。」(238~239頁より抜粋)

いかがでしょうか。私はこれまで色々な著書に出会ってきましたが、ここまで格差の本質をストレートに表現した内容は初見でした。よくよく考えれば至極当然のことではあるのですが、世間では割とオブラートに包んで表現されることが多いように感じます。下手すればそれが美化されて表現されていることすらあるのではないでしょうか。一方、ここの件(くだり)ではそれをハッキリと主張していると感じ、正直スカッとしました!人生のスタートライン。それは経済的なものから心理的なもの、はたまた自然災害その他様々な状況によって格差が存在します。そして、多くの人がその格差によって大なり小なり苦心しているのではないかと思うのです。著書ではいわゆる悪い人からいじめられる人のパーソナリティをその主旨として述べられていますが、それも含めて私はこれこそがライフキャリア格差の本質であると思っています。特に❝NO❞が言える環境で伸び伸び生きてきた人とそうでない人とではその差は歴然としているでしょう。
とはいえ、著書では以下のようにも述べられています。

あなたは決して資質として弱くはない。 (中略) 望ましくない環境で育ってきただけである。 (中略) じつは本当に戦えばあなたはもの凄く強い人である。だからその悪環境の中で今まで生きてこられたのである。」 (241頁より抜粋)

また、次のようにも述べられています。

今戦っている相手は決してあなたより強くはない。それを肝に銘じることである。
今相手にやられたからといって決して自信を失ってはいけない。」(242頁より抜粋)

確かに、悪環境の中で生きてきたことが実はその人の実績でありポテンシャルにもなっているという視点は今まで持てなかったですね。
前段で述べた過去を整理、清算し、且つその体験を糧にすることで人は大きく成長を遂げることができるのではないでしょうか。ただ、それが天然でできる人とそうでない人がいるのも事実です。そんな人は一度この本を手にとってみることも良いのではないかと思いました。
今、人間関係で様々な苦労をされていて、それがリカバリできていないという方はこの本は有効であると考えます。特に、今回挙げさせていただいた内容はその
❝リカバリできない❞
要因のひとつとしてかなり大きなウェイトを占めていると考えています。だから、この本は非常に有効だと思うのです。少なくとも脱却へ向けた❝きっかけ❞は見つけられると思うのです。

尚、今回ご紹介しました引用は、著書を読んでいて最も力が入ったところでした。なので、最後にご紹介したのです。

おまけ

本のレビュー通して4回程やりましたが、『たくましい人』のレビューは以上になります。
なかなかハードな内容だと捉える方もいらっしゃるかと思いますが、人間社会で生きる為の本質をわかりやすく書いてあると思いました。
私自身、ここまで色々書いてきましたが、
❝じゃあ、お前はどうなんだ!?❞
と言われてしまいそうなので、率直にお答えしますと
❝私はまあ、それなりに❞
といった感じですかね。答えになっていないかもしれませんがそんな感じです。
ただ、話が逸れますが、ひとつだけ冗談抜きで悩んでいることがあります。それは
❝将来のこと❞
です。人生100年時代、何がどうなるか不安になることがあります。
だからこそ現在
❝仕事も私事も全力で❞やっています。
もちろん、❝休むことも全力で❞やっています。
要はメリハリですね。

さて、そんなこんなでこの記事を書いている間に関東がやっと梅雨明けしましたヨ♪
アッツ~い夏がいよいよはじまります!でも後2週間くらいで立秋です。暑いのが苦手な方もおられると思いますが、それもほんの僅かな期間です。だったらそれをじっくり味わうのも一興ではないでしょうか☺
というわけで、今回はこれで締めとさせていただきます。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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